GGUF(量子化モデル)を使う

H3cApp v0.6.0から、公式のモデル(文章から・最初の画像からの生成に使うFL2VAだけで約134GiB)の代わりに、量子化されたモデル(GGUF)を使えます。ダウンロードとディスクの使用量は、おすすめの組み合わせで約45GB、最小で約35GBです。

GGUFで用意するもの・しないもの

MiniMax H3のモデルは、いくつかの部品でできています。GGUFで配られているのは重みの大きな部品だけで、残りは公式のモデルから取ります。

部品用意のしかた大きさの目安
DiT(FL2VA)
文章から・最初と最後の画像から
GGUFQ8_0で21.4GB、Q4_Kで11.4GB
DiT(Ref2VA)
参照画像・動画・音声から
GGUF(なくても取り込めます)FL2VAと同じくらい
文章の部分
テキストエンコーダー
GGUFH3専用Q4_K_Mで18.2GB、Qwen公式Q8_0で34.8GB
画像の部分(mmproj)GGUF(文章の部分に入っていれば不要)F16で1.2GB
トークナイザー・設定公式のモデルから(GGUFはありません)数十MB
映像・音声のVAE公式のモデルか、unslothのsafetensors(GGUFはありません)公式11GB、unsloth 5.9GB

トークナイザーは重みではなく数MBの辞書なので、GGUFにする意味がなく、配られていません。VAEもGGUFでは配られていませんが、unslothとComfy-Orgが単体のsafetensors(映像のVAEをFP16にした小さいもの)を配っていて、H3cAppはそれも読めます。

ダウンロードウィザードで用意する(おすすめ)

ダウンロードの前に、モデルのライセンスを確認してください。MiniMax H3のモデル(公式のもの、unslothなどのGGUF)には「MiniMax H3 Community License Agreement」が、Qwenの文章の部分・画像の部分には「Apache License 2.0」が適用されます。詳しくはライセンスを参照してください。

  1. ウィザードを開きます。最初の起動時に出る「MiniMax-H3 モデルの用意」を使います。モデル管理の「ダウンロードして追加…」からも開けます。
  2. 「GGUF(量子化)と必要な部品」を選びます。「ダウンロードするもの」の切り替えで選びます。
  3. 部品ごとにファイルを選びます。初期値の配布元のままなら、次の組み合わせがおすすめです。
    部品おすすめ小さくしたいとき
    DiT(FL2VA)unslothのQ8_0(21.4GB、動作確認済み)Q4_K(11.4GB)
    文章の部分unslothのH3専用Q4_K_M(18.2GB、50層・画像の部分入り)—
    VAEunslothのVAE(5.9GB、動作確認済み)—
    文章の部分の画質をいちばん確実にするなら、Qwen公式のQ8_0(34.8GB、動作確認済み)も選べます。この場合は取り込みのときに使う50層だけに切り詰めて書き出す(約27GB)ので、そのぶんの空きも必要です。画像の部分が入っていないので、mmproj(F16、1.2GB)も自動で加わります。参照画像・動画・音声を使う生成もしたいときは「Ref2VA も含める」をオンにします。
  4. 保存先を決めます。「保存する場所」と「フォルダ名」が、取り込んだモデルのフォルダになります。ダウンロードしたファイルも、いったんこの中に置きます。外付けディスクを選んでも、取り込みは同じディスクの中の複製なので、容量は二重になりません。
  5. 「ダウンロードして取り込む」を押します。ダウンロード、取り込み、モデル管理への登録まで自動で進みます。中断しても、次回は続きからダウンロードします。

ボタンを押す前に、ダウンロードの量、取り込みで書き出す量、保存先のディスクの空き容量が表示されます。足りないときはボタンが押せません(余裕として2GBを残します)。

配布元を変える

各部品の配布元(Hugging Faceのリポジトリ)は変えられます。

アプリで使えないファイルも一覧には出し、「(未対応:理由)」と添えます。選んでも選ばれません。理由は対応している形式を参照してください。

手元のGGUFを取り込む

すでにGGUFファイルを持っている場合は、モデル管理の「GGUFを取り込む…」を使います。

  1. ファイルを選びます。「GGUFファイルを追加…」でファイルを、「フォルダから追加…」でフォルダごと(3階層下まで)追加します。ファイルごとに中身を調べて、DiT・文章の部分・画像の部分のどれかを表示します。DiTのFL2VAとRef2VAは中身では区別できないので、名前に ref2va を含むものをRef2VAとみなします(切り替えもできます)。足りない部品には、入手先の例と「ダウンロード…」ボタンが出ます。
  2. 内容を確認します。部品ごとに使うファイルと足りないものが表示されます。同じ部品のファイルが複数あるときは、使うものを選びます。「部品の複製元」で、トークナイザー・VAE・設定をどこから取るかを選びます(モデル管理に登録したモデル、「フォルダを登録…」で選んだフォルダ、または「共通部品をダウンロード…」で取った公式の共通部品)。
  3. 「取り込む」を押します。~/Library/Application Support/H3cApp/Imported/ にモデルのフォルダを作り、モデル管理に登録します。

取り込んだあと

配布元と対応している形式

既知の配布元

配布元部品メモ
unsloth/MiniMax-H3-GGUFDiT(FL2VA・Ref2VA)、H3専用の文章の部分、VAE標準の配布元。DiTは曲線形のAdaLN
Qwen/Qwen3-VL-32B-Instruct-GGUF文章の部分(64層)、mmproj公式。取り込み時に50層へ切り詰め
Abiray/MiniMax-H3-Pruned-GGUFDiT曲線形のAdaLN
Abiray/MiniMax-H3-GGUFDiT、文章の部分DiTは密なAdaLN
leejet/MiniMax-H3-GGUFDiT、文章の部分曲線形と密な形の両方
molbal/MiniMax-H3-GGUFDiTQ8_CR・U16Gは未対応
realrebelai/MiniMax-H3_GGUFsDiT、文章の部分DiTは密なAdaLN(中身はAbirayと同じ重み)
joeygambino/MiniMax-H3-x-Z-Image-GGUFDiTZ-Imageとの合成モデル。curve付きが曲線形
nif0/Qwen3-VL-32B-Instruct-MiniMax-H3-GGUF文章の部分(50層)、mmprojIQ系は未対応
Comfy-Org/MiniMax-H3VAEint8版は未対応

いずれも、ダウンロードの画面でファイルの先頭を読んだ結果に基づく分類です。どの配布元も、Q4前後の代表的なファイルで短い動画を作れることを確かめています(下の「動作を確かめた組み合わせ」)。

対応している形式

動作を確かめた組み合わせ

組み合わせ確かめたこと
DiT unsloth Q8_0 + 文章の部分 Qwen Q8_0(50層へ切り詰め)+ mmproj F16公式の重みと値を照合(誤差は量子化相当)、生成
DiT unsloth Q4_K + 文章の部分 unsloth H3専用 Q4_K_M + unslothのVAEダウンロード・取り込み・生成
unslothのVAE(映像FP16・音声)同じ潜在を公式のVAEと比べて、映像PSNR平均51.7dB、音声SNR 72dB(見分けがつかない)
unslothのH3専用 文章の部分テンソル名と形が公式の重みと一致。言語の部分の誤差はQ4_Kで相対7%、画像の部分はビット単位で一致

既知の配布元ごとに、なるべく同じ配布元・同じ量子化のDiTと文章の部分を組み合わせて、3秒・512×512・SSDストリーミングで同じプロンプトとseedの動画を作り、映像と音声(話し声)を確かめました(2026年10月19日、Apple M5・24GB)。配布元に文章の部分がないものはunslothのQ4_K_Mを、文章の部分だけの配布元はDiTにunslothのQ4_Kを使っています。

配布元DiT文章の部分
unslothminimax_h3_fl2va_pruned-Q4_K(曲線形)qwen3vl_32b_minimax_h3-Q4_K_M
leejet(剪定版)unslothと同じファイルunslothと同じファイル
leejetminimax_h3_fl2va-Q4_K_M(密な形)unslothと同じファイル
AbirayMiniMax-H3-FL2VA-Q4_K_M(密な形)qwen3vl_32b_minimax_h3-Q4_K_M
Abiray(Pruned)MiniMax-H3-FL2VA-Pruned-Q4_K_M(曲線形)AbirayのQ4_K_M
realrebelaiMiniMax-H3-FL2VA-Q4_K_M(密な形)qwen3vl-32B-MiniMax-H3-Q4_K_M
molbalminimax_h3_fl2va_pruned_fp8_Q4_0(曲線形)unslothのQ4_K_M
joeygambinoMiniMax-H3-fl2va-curve-zs05-Q4_0(曲線形)unslothのQ4_K_M
QwenunslothのQ4_KQwen3VL-32B-Instruct-Q4_K_M(50層へ切り詰め)+ mmproj F16
nif0unslothのQ4_K…-L0-49-Q4_K_M + mmproj BF16

画像の部分(mmproj)は参照画像を使う生成でしか使わないため、この確認では読み込みまでです。

ただし、Q2_KだけでできたDiT(unslothのminimax_h3_fl2va_pruned-Q2_K)は、人物が溶け、背景が格子状になり、音声がうなりになるなど、動画が大きく崩れます。ブロックの行列がすべてQ2_Kで、Q8_0との相対誤差が27.7%(Q3_Kは15.6%、Q4_Kは7.4%)あるためです。Q3_K_M以上を使ってください。H3cAppはこうしたファイルに警告を出します。Q2_Kの文章の部分は問題なく使え、「UD-Q2_K_XL」のような混在は確かめていません。

モデルの削除とディスク容量

GGUFの取り込みは、同じディスク上のファイルをAPFSの複製(クローン)で置くので、取り込み自体ではほとんど容量を使いません。その代わり、モデルどうしやダウンロードした元のファイルとデータを共有することがあります。モデル管理の「…」→「削除…」では、次のように動きます。

ライセンス

仕組みとAPIの詳細は、GitHubのGGUF.ja.mdを参照してください。